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書きながら考えているので考えたことを書いてるんじゃなくて書いたものが考えたことです。もしかするとなにも考えていないかもしれない。

 今年も終わるわけですが、なんですか、べつに書くことないな。

 こういうときに一年を振り返るのが定番なんだろうけれども、頭をいくら振ったところで自分のうしろ姿は見えないわけで、であれば自分のたどってきた道や足跡などを検分して今後たどるべきルートを定めるのがよいのだろうか。しかし二十八年生きてきて実感しているのは、年の終わり、あるいは始めだからという理由でなにやら目標を定めたりしても、結局のところそれは次の終わりと始めにしか思い出さないということである。へたをすると「い、一歩も進んでいない! なにかが間違っている!」といった感じでもと来た道を引き返しかねない。

 ものごとに区切りを設けるというのは人類の偉大な発明であるとは思うのだけれども、それを所詮他人の定めたものとして有効活用できないこの体たらく。もういいからみんなこたつに入ってみかんでも食べようよ。寝ちゃったら毛布かけてあげるからさ。